わたし(リョウタ)は、日本の学校の先生として昭和16年(1941)4月に南洋庁
サイパン島へ行きました。
東京の親戚関係者にあいさつを終え、横浜港から「サイパン丸」でサイパン島の
サイパン港に一週間を要し着く。初めて上陸して見る南洋の島。
サイパン島は、東京から南東に約2500㌔の所に位置し、日本本島から最も近い南
洋マリアナ群島に属している。ほぼ「霞ケ浦」の広さだ。(沖縄本島の10分の1)
熱帯圏にあるため、春夏秋冬はなく、平均気温27度の常夏の島であり一年中泳ぐ
ことができる。一日のうちスコール(驟雨)のラッシュアワーがあること多し。
戦前戦中は日本の委任統治領だった。
(現在のサイパンは、アメリカ自治領のためアメリカ文化の島となっている。)
16世紀ポルトガル人のマゼランが大航海で発見して以来、スペイン統治が長く続
いた。次のドイツが引き継ぎ、第一次大戦後は日本の統治領となった経緯がある。
日本の統治領だけあって、チャモロ人(原住民)の案内する流暢な日本語に驚き
ながら、官吏宿舎である「教師の家」へ落ち着く。
家の生垣にはハイビスカスが植わっており、一段と大きな真っ赤な花が一面に咲
き誇っているよ。
(或る事情で、父の雑記帳や写真の大半が散在してしまたので、母宛のわずかな
葉書と数枚の写真および、今は亡き母と祖母からの口承の記憶から想像するしか
ない。)

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