2022年3月31日木曜日

弥生 3月のBlogテーマ別更新歴   3425

3・11~大槌:東日本大震災から11年 3404
②記憶の深層: 網走湖 記憶の深層53 3413 
記憶の断層:三毳山のカタクリと山桜 記憶の断層119 3421 
社会・歴史&時事:世界の片隅で ウクライナの悲劇 3401
出版情報:世の移り変わりは加速している 3424
読んだほん:砂川文次「ブラック・ボックス」を読む 3394
       高橋眞知子『歌と革命』を読む 3398
       絶筆 石原慎太郎「死への道程」 3408
       「映画秘宝」賛歌❣中川翔子メッセージ」3409
観た映画:濱口竜介監督『ドライブ・マイ・カー』 3417
駅舎物語:秋田~男鹿~飯田~越後大島 駅舎⑪ 3410 
猛虎コラム:左腕の誇り タバコとコーヒーを 3407
       鳥谷敬 母校・羽村一中の生徒と交流 3412
⑩友人帳:追悼 宮下和夫
     追悼 清水哲男
日常雑記:成人式は男子の元服が起源というが 3405
      祖母の冊子⑤ 

世の移り変わりは加速している    3424


僕は人生の多くを出版業界に身をおき活動してきたわけだが、端で見ていても
最近の業界再編の枠組みの変貌はいちじるしいと感じる。

未来社時代からわが洋泉社でも宣伝・広告に携わることが多かった。
広告収支の推移をみると、かつて新聞、雑誌、テレビ、ラジオのマスコミ4媒
体がずっと占有していたが、ついに昨2021年には、デジタル広告が上回っ
たっと発表されている。とくにネットの伸長が大きいようだ。

大手出版社の話で申し訳ないが、講談社は前期決算で過去最高益を計上。
なかでも、電子書籍の売上が690億円(前期比30%増)に達し、この勢いは続
く目論見だ。と云うことは、はじめて紙の書籍・雑誌の売上(660億円)を抜
いたことになる。
この傾向は、大手出版社のみならず中堅社もデジタルコンテンツを活かしなが
ら今後追随するであろう。
問題になっている月刊「映画秘宝」も、ウエブサイトに踏み出そうと考案しつ
つあるぐらいだから、何をやと云うことです。 

2022年3月29日火曜日

津山城下町の居住地区 鶴山情歌④  3423

吉井川の水刎ね
居城の構築とともに、その周辺に城下町を造成することは、施政のうえで必須
であった。
家臣団の居住する武家屋敷と商人や職人の居住区域(町家)は、区画を分けて
つくられた。士と農工商に分離させられた近世的な身分秩序をあらわし、その
うえ、職能的住居区をも表せている。

津山城下町の成立を見ていくと、我がなれしたしんだ吉井川の源流から中流に
至る治水を基として考えられる。
鶴山(津山城)付近の地形は、丘陵の裾にそって東流する吉井川によって形成
される。吉井川の水源(人形峠)から城下まで12里(50㌔)ばかりあり、
水勢も盛んで、氾濫にそなえて治水にはあの手この手を施してきている。

次に城郭図を見ながら武家移住区の配置を点検してみる。
それは、わが家の縁ある地域の探索と云うことでもある。

2022年3月28日月曜日

受賞前に観ておいてよかった❣と思う  3422


濱口竜介監督・脚本『ドライブ・マイ・カー』が、アカデミー賞4部門ノミネ
ートされ、国際長編映画賞を受賞した。
これまでアカデミー賞そのものは、アメリカ映画の大作が主だった受賞対象で
気にするところではなかったが、ここ数年グローバルになり、もしやと思って
いた。

僕はこの映画を観ながら、スクリーン内演劇舞台(劇中劇)を有効にはたらき
巧みな多言語や風景の無国籍性が自然に映像化され流れていく感覚がとても良
かった。国境をとっぱらったシネマなんだなぁと思った。
黒沢清監督作『スパイの妻』の脚本も濱口竜介だったが、今回も村上春樹の原
作の雰囲気を見事に生かし、物語の単調な流れに何とも言えない心性に奥行き
をもたしてくれる。
更にその補助的作用を、赤黒の古式名車・サーブの疾走が静かに共鳴する。
(それにしても、このクルマの「多摩ナンバー」のいきさつを知りたい。)

(←ブログ:2022・3・22「濱口竜介監督「ドライブ・マイ・カー』」3417)

2022年3月27日日曜日

三毳山のカタクリと桜 記憶の断層119  3421

東北自動車道の佐野SA近くにある三毳山の「みかも公園」へ風船ドライブ。

カタクリの群生と山桜(2003・3・29 影:pen)
朝出て、正午前に着く。
可憐な薄ピンク色のカタクリが、まるで絨毯のように林のなかに群生していた。
我がはむらの堰の対岸にも隠れカタクリの群生地があるにはあるが、規模が広
く壮観だ。

2022年3月26日土曜日

祖母の冊子⑤            3420


祖母のブルーノートをそろりと開いて再会し、この齢にして心に染み入る想い
がある。
明治27(1894)年生まれ、庄屋だった常四郎の家から正宗の家に嫁いだ
祖母の言葉から、東京の日々のさびしさや田舎を想う心情の片々が様々に浮か
びあがってくる。

ほととぎす 鳴声ききつつ ふみゆかば 死出の旅路も とをくあるまじ
                            (父常四郎詠)
つめたきわ 雪や氷と 思いしに 人の心の冷たさぞ知る (広戸伯母詠)
とくゆきし 夫をしのびて 今更に ながらえる身ぞ あわれなるかな
もろもろの 神よ仏よ あわれみて 老い行くこの身召しますをみもと、、
夫ゆきて 一人のあの子に 先立たれ 孫のもとにて 日々をおくりつ

2022年3月25日金曜日

悪夢 オープニングの初戦を落とす  3419


きょうは、プロ野球のシリーズオープニング。
猛虎は、W糸ちゃんの猛打で楽勝か、の余裕で観戦していたところ投手リレー
の破綻からアレヨアレヨのうちに奈落の底へたたき落された。

藤浪投手が7回まで踏ん張り、最大7点の差が守れず逆転負けを喫した。
相手のエースを打ち込んだ中野、佐藤、糸原、糸井の中心打者は長短打猛打賞
で、幸先よく期待できる。とくに糸井の2ランを含む4打点は明るい材料。
昨シーズン、トンデモ活躍した新人だったサトテルとタクムが初戦でかわらず
パワーアップした溌剌プレーをみせてくれた。
彼等は、長い猛虎の伝統を引き継ぎ伝説をつくるような選手になってほしい。
僕は、藤村冨美男選手からはじまって、70年以上そうした選手の成長過程を
ずっと伴走してきた。江夏のオールスターゲーム15連続三振や三宅・吉田の
鉄壁三遊間、岡田や鳥谷をドラフト会議引き当てたシーン等々、全部目に焼き
付いている。

今夕は、テレビの前に6時前から正座して身をノリだし、オープニングすると
ひいきの阪神タイガースの試合運びに一喜一憂する。
これは「自由」であることのなせわざであろうか。この一種別格の自由を有難
く思う。
阪神8:10ヤクルト 

2022年3月24日木曜日

サイパン島 「教師の家」前の良太  3418

良太寄宿の旧「教師の家」水の貯水箱

父の良太はサイパン島に赴任したとき、サイパン航路で島の支庁桟橋につき、
まず南洋庁サイパン支庁に行ったようだ。

そののちチャッチャ国民学校への赴任が決まり、ラウラウ湾の岬に近い宿舎に
落ち着いている。
サイパン島についての知識は皆無だった母も、チャッチャという珍しい呼称は
記憶に残っていた。
サイパン島で3年あまり国民学校の「訓導」として生活していた良太の住まい
が、この新旧2枚の写真とホテルの庭師の証言で特定できたことは幸運だ。
1943・5・29影(背景に水箱)

2022年3月22日火曜日

濱口竜介監督『ドライブ・マイ・カー』3417


昨年後半から話題になりロングランを続けていたが、観るのは初めて。
監督・脚本:濱口竜介(原作:村上春樹)プロデューサーが注目の山本晃久。
濱口監督については、黒沢清監督の『スパイの妻』の脚本を手掛けているし、
『偶然と想像』を観て関心があった。

話は、舞台俳優で演出家の家福(西島秀俊)は脚本家の妻・音(霧島れいか)
と暮らしていた。しかし音はある秘密をのこしたまま突然この世から消える。
シーンは2年後に転換。家福は地方の演劇祭で演出を担当することになり愛車
の「SAAB」でヒロシマへ向かう。
寡黙な専属ドライバーのみさき(三浦秀子)と時間を共有するようになると、
それまで妻を失った喪失感をかかえたまま目を向けようとしなかった或ること
に気づかされる、、。

この監督は、スクリーンでは見えない男と女の絡みの見えない部分を、巧みな
会話劇で変化させていく演出が優れている。村上文学へのアプローチとしても
有効に思えた。
また都市や町の風景が無国籍に見えながら、身近に感じさせる独特の自然を醸
し出す雰囲気が何とも言えずいい。
さらに映画の全編で終始疾走する赤の黒のツートンカラーのマイカー・サーブ
はもう一人の主役だ。(多摩ナンバーも最高だ!)

(←ブログ:2022・1・5 「白石和彌監督『孤狼の血』を観る」3339)
(←ブログ:2022・2・10 「究極のリアリズム『アルジェの戦い』3375)

摘録 一日雑記          3416


朝みぞれから昼前に雪に変わる。

いつものように、わが家から100m余の整形外科へ。膝はほとんど治癒したが
右肩がなかなか回復が難しい。完治するまで途中で投げ出さずアルファ波照射
とマッサージ(指圧)の継続を、柔道整体師に指南される。

次は、郵便局へ。支払い用の引き出しと、封書と切手の購入。
帰り道歩いていると、氷雨から霙、雪に変わって畑が白く積もりだす。
その草むらからタンポポとホトケノザの小さな可愛い紫色の花が咲いているの
を、手で触れて見つめる。

帰宅して、炬燵で新聞を読む。
先日インタヴューした江夏豊さんはマツダスタジアムで山本浩二とレジェンド
対決するイヴェントに参加していたという、デイリースポーツ記事を読む。
さらに、彼はプロ野球のシリーズ開幕も近く、東京を離れることが多いはず。
そんなことを思っていると、最終の原稿チェック入れの進行が気になりだす。

さらに夕餉の前、取って置きの『鳥獣戯画』の豆本づくりに挑戦。
すばらしい出来栄えに、晩酌をぐい吞み!

2022年3月21日月曜日

活字の海から 大井谿君の尊父のこと 3415


新宿の文壇バー「風紋」の林聖子さんが亡くなった。
追悼しつつ、古い記念誌『風紋』に寄せた作家や編集者の随想を読んだ。
そして、巻末の聖子さんの御母さんとの伝記風「いとぐるま」を読んでいて、
そのなかで意外な人とのつながりを発見した。

聖子さんの御母富子さんの郷里は岡山県津山市で、生家が幕末頃からの商家で
あること、そして、昭和20年4月の東京空襲で高円寺の住まいが焼け、津山の
家へ一時帰っている。このあたりのことは聞いていた。
で、本題に移る。
「津山椿高下(つばきこうげ)にあった家の右隣が(いで)先生の家で、
出家のおばあさんと私の祖父とは、お茶、お花の友だちであったことを、出家
に遊びに行く間に、出先生から伺った。不思議な因縁という外はない。
出先生にたびたびお目にかかって頃から十数年たったある日、当時、明治大学
におられた大井先生が<出先生からです>といって、一冊の目録を「風紋」
に届けてくださった。  GALLERY KABUTOYA.TOKYO 1920
とある父の個展目録で、表紙をあけたところに墨で、 出隆兄   倭衛
とあり、さらにその右側に、 林聖子様   出隆  昭和三十九年五月
という出先生の署名がある。
1920年といえば父倭衛はまだ母と出会っていない。運命の糸の不思議さに驚く
とともに、たちまち先生の温かく優しいお心遣いが伝わってきた。」
時間は流れて、未来社から『唯物史観の形成過程』(ほか三冊)刊行している
著者・大井正さんは、莫逆の友・大井谿君の尊父である。 

2022年3月20日日曜日

映画秘宝 This is the End.   3414

映画秘宝  5月号】(2022')
映画通が選ぶマイ・サイテー映画&深掘り研究コラム
最後のサイテー映画決闘裁判!町山智浩×柳下毅一郎×レッキングクルー

しょこたん(中川翔子):最終回秘宝遊戯は「死亡遊戯」で決まり。
そして「死亡遊戯」と一緒で、いつ再開してくれてもいいんですよ!
斎藤工:映画文化の過度期であるいまこそ 映画秘宝は必要な媒体だと心から
思う。間もなく公開される『シン・ウルトラマン』は、他誌ではできないよう
な本質的でニッチな特集を、4年前から楽しみだったのに‼
復刊した暁にはしっかりと特集してくれよな⁉

2022年3月19日土曜日

網走湖 記憶の深層53       3413

網走湖(影:pen)

TV画面に、極寒の氷結(厚10㌢)した網走湖をカンジキを履いて歩を進める
人たちの姿が映し出されるのを見た。冬の寒気で動くのをやめると凍りついく
のではないかと思われる様だった。
そんな寒さとは対照的だが、真夏の北海道へ旅したときのおだやかな網走湖と
網走監獄を想起した。

羽田空港 11:25発→女満別 13:05着。(yu)
女満別空港前のマツダレンタリースでファミリア4WⅮを釧路空港前乗捨てで
レンタル。
ファミリアは、日頃から乗りなれた車でトラブルなく、終始快調にドライヴ。

女満別町と網走市にまたがる「網走湖」に出て湖岸沿いの道路を走る。途中に
「呼人半島」が突出し、付近は景勝地でクルマをとめ湿生植物群落で休む。
映像で見たように、冬季は氷結しワカサギなどの氷上釣りが楽しめる。

(←ブログ:2014・5・8 「北海道/網走 記憶の断層23」634)

2022年3月18日金曜日

鳥谷敬 母校・羽村一中の生徒と交流 3412

羽村一中にて
阪神タイガースのレジェンド、鳥谷敬選手が一昨日、16日に羽村堰の上に在る
「羽村一中」のグランドに現れた。
鳥谷は2003年12月、阪神タイガースに入団したばかりで、わが家の側の羽村
市武蔵野公園グランドに来たことがある。それは小学生のころに所属していた
少年野球チームの監督やコーチに近況報告とあわせて、子どもたちを激励する
ことだった。

さて今回、元阪神タイガースの鳥谷敬さんは母校の生徒たちに何を語ったのか。
ときおり、冗談を交えながら生徒たちに語りかけた言葉は実に説得力のある有
意義なものばかりだったという。
アスリートとして歩んできた、埼玉県飯能の聖望学園から早稲田に進学し東京
六大学史上最速タイとなる三冠王を達成。03年度ドラフトの自由獲得枠で阪神
の指名を受ける。21年に千葉ロッテで現役を引退するまでプロ生活は18年も続
いた。プロ野球人生で数々の記録を打ち立てたが、なかでも2243試合に出場
し、通算安打数は2099本の偉業は輝かしい。

過日、阪神タイガースのかつての鉄腕・江夏豊さんをインタビューする機会が
あった。彼はストレート(直球)だけで三振を取る練習を高校時代は一途にや
ったエピソードを聞いたが、鉄人・鳥谷さんも練習のムシになるための自分の
目標をとことん追求することで夢が叶えられる、とメッセージを発したようだ。

2022年3月17日木曜日

3・16宮城・福島震度6強の地震  3411


昨夜仕事部屋にいたら、午後11時35分頃、机の揺れがあり身体もガタガタと感
じる程度になったので、階下に駆け降りた。
掘り炬燵にもぐり込もうとしたところでおさまった。
震源は福島県沖で、マグネチュードは7・4と推定されるとのことです。
東北各地のひとは、「立っていられないほどの揺れ」で11年前の3・11を思
い出したことでしょう。
津波は石巻港で30㌢、仙台港で20㌢を記録。

地震被害は、時間経過とともに被害規模が拡大するのは事例により明らかだ。
東北新幹線の列車が脱線し、一部運転が見合され影響は長期化するという。
東北地方の高速自動車道は広い範囲でひび割れが発生しており、通行止め区間
が復旧するには時間を要す。
先の3・11でひび割れたわんだ路面をおそる恐る走った記憶が瞬時に甦った。
さらに、福島原発の使用済み核燃料プールの冷却水の温度上昇などのトラブル
はないのか、心配するところだ。

2022年3月16日水曜日

秋田~男鹿~飯田~越後大島駅 駅舎⑪ 3410

秋田駅(左上)/男鹿駅(右上)
飯田駅(左下)/越後大島駅(右下)

秋田駅に立ち寄り軽めの朝食をとったが、厚めのトーストパンにバターをしっ
かり塗り塩をパラパラとふりかけて食したときのシンプルな美味しさが味覚と
して残っている。この休憩の後、男鹿半島を一周した。
笹川流れを見た途中で無人駅・越後大島駅に寄った。

千畳敷カールへ登ったときに寄った、飯田駅はJR飯田線の中心的な駅である。
豊橋からの特急列車や松本からの快速列車はここが終点駅。
駅舎のリンゴをイメージした赤く丸い屋根が特徴的だ。

「映画秘宝」賛歌❣ 中川翔子メッセージ 3409


「映画秘宝」は、一週間後の19日発売(5月号)で休刊になる。

その休刊を心底惜しむしょこたんの言葉がBlogに率直に吐露されている。
映画秘宝連載最終回(5月号)のイラストかきおわりました、、、映画秘宝
がなくなっちゃうなんて!私の人生形成に多大な影響を及ぼした素晴らしい雑
誌、またまた復活しちゃうんじゃないかと希望を捨てられない、、いちばん長
いお仕事だったからなんだか信じられないな、毎月大好きな映画の絵を描いて
いたよ」。(20周年の中川翔子)                 
対する返信
「一度は持ち返えしただけに希望を捨てられないわよね 最終回も明け方まで
お疲れ様。翔子さんの心に響いた大好きな場面をイラスト一杯に詰め込み溢れ
る映画愛を読めるのが幸せだった❣表紙のなりきりコスプレもかっこ良すぎる❣
生きた証を映画秘宝と共に長年残して頑張り続けて来たわね❣復活してほしい❣
(アナ)
こんな応援歌をもらうと、映画秘宝編集部(田野辺)も感涙だろう。
「映画秘宝」再々のルネサンスでは、しょこたんの「秘宝遊戯」を表紙で復活
させてみたいと思う気持ちが強い。

2022年3月14日月曜日

絶筆 石原慎太郎「死への道程」   3408

(←3407は先月2月17日補記)

「春の桜は見られないだろうと覚悟した」
「文藝春秋」四月特別号掲載の 、石原慎太郎「死への道程」を読む。

もはや戦後ではない?<実感>の文学『太陽の季節』が芥川賞に選ばれたこの
年、昭和31(1956)年、太陽族なる若者風俗がパッと現れた。
そのとき、僕は中学3年生。それ以来、彼の文学表現の卑猥な言葉を辞書で引
いては興奮し、政治的なるものの発言には反発したり、ずっと気になる存在で
ありつづけた。
僕は学生時代に埴谷雄高や武田泰淳、野間宏、大岡昇平ら戦後派の文学に傾倒
するようになってからは、石原慎太郎の「文学を徒らな観念の設定で考えるよ
うなことは決してやりたくない。~左翼文学とアバンギャルドがどれだけほえ
合っても、広範な人間をとらえる何ものも出てこまいということを僕らは理屈
よりも実感で一層強く感じる」、と主張するにいたって、強い異議をとなえた
ものです。

石原慎太郎は、学生作家として社会に良識を揺さぶる大きな衝撃をもって受け
止められた当時の感性を、生涯もちつづけたことは間違いないと思っている。
自民党の国会議員になり、都知事出馬や総裁選立候補、はては突然の議員辞職
と、その後もスタンスは変わらなかったし、極右的言辞も多々あった、、。
絶筆では、文学の主題でもあった「死」を究極の接近として、痛々しいほどの
置換を試みている。

2022年3月13日日曜日

追悼 清水哲男           3406

書影

清水哲男さんが、腎不全のため死去。84歳。

僕の手元に1963年に出版した限定二百部の『詩集喝采』と1970年に限定二百
五十部発行、活字岩田母型印刷の『詩集水の上衣』がある。
皆がそう呼称していたように、僕も年上の彼を「テッちゃん」と呼ばせてもら
うつきあいだった。
きっかけは、清水昶の詩集『少年』を企画・編集していた時期の新宿の酒場で
だったと思う。
テッちゃんは酒好きの優れた文芸編集者だった。酒が好きなひとなら誰とでも
席を同じくして仲良くなれた。そのうえ直ぐに親しくなれた要因に、清水兄弟
の生まれが秋多町(現あきる野市)で、僕の住む隣町羽村や福生の想い出には
事欠かず、立川高校の話までおよんだものです。
合掌。

2022年3月12日土曜日

成人式は男子の元服が起源というが  3405

元服の様子を描いた錦絵
ハルが学年末の試験を終えてやってきた。

昔なら、男子は15歳前後になれば「元服式」が行われ成人の通過儀礼だった。
ハルもそんな年頃になったので、話題にのぼったと云うわけ。
元服は「元ははじめと読み冠、首、服は着ものと読む」といわれ、大人の着物
をはじめて着用することで社会人の仲間入りを果たした。
<大人になる><男になる><男になす>ともいう。

現在の成人式は形式化し、満二十歳を迎えれば誰でも成人になれるが、本来の
意義は子供が社会の成員として義務を果たせるかどうかを確認する儀礼のはず
で、人生の重要な節目であったと思う。
ハルは、生誕直後に足柄山の金時スタイルで写真におさまり、七・五・三を経
てスイミングに熱中し、中学では自ら望んで武道を極め早々と黒帯をしめる程
忍耐力を蓄えてきている。
さて、これからの高校での青春をどう過ごすのだろうか⁉ 楽しみだ。

2022年3月11日金曜日

東日本大震災から11年        3404

大槌町CM
被災地に11回目の「3・11」がめぐってきた。
巨大な津波は大槌の市街にも深い爪痕を残したが、11年の歳月なかで復興
のモダンな建物も出現している。
だが、今も被災者はぬぐえぬ喪失感を抱き鎮魂のトラウマにさいなまれている。
震災10年の区切りとコロナ禍で、今年は自治体主催の追悼行事も中止や縮小が
相次いでいる。

僕は3・11後、東北自動車道が復旧開通したのを見計らって、新花巻→釜石
→大槌町へクルマでなんとか入ることができた。大槌湾の海岸沿いには防潮堤
が築かれていたが、津波はそれをいとも簡単に壊して町全体を襲った。砕けた
防潮堤、全壊して鉄骨剥き出しのビルや家屋そして大槌駅舎も消えホームだけ
が残る。僕が見た光景は生涯で初めて目にした絶望的なものでした。

義お祖母ちゃんの家は見る影もなく啞然としながら近くの菩提寺・江岸寺へ向
かうが、墓石は焼けただれ半壊の状態でした。
カメラのシャッター音はすれども心の整理ができず、墓地裏の高台から蓬莱島
(ひょっこりひょうたん島)をかかえる静かに凪いだ海を見ていた記憶が鮮明
に思い出される。

2022年3月10日木曜日

三省堂書店仮店舗での営業近し    3403

2022・3・9 影:ncan
⇔昨日のBlog続き。
太田姫稲荷をさらに下って、久々に小川町ミズノに寄る。エスカレータで各階
を観覧しながら6Fのシューズ売場へ。皮革用ワックスとして長年愛用しつづ
けている「コロンブスのレザークリスタル」をやっとの思いで入手。馴染みの
バイヤーと話す。

それから、少しトコトコ歩いて三省堂書店神田本店に到達。
神保町の本社・本店ビルの建て替えは決まっていたが、仮店舗を本社ビル対面
のヴィクトリアゴルフ御茶ノ水店が入るビル内に移す。
仮店舗の開始はヴィクトリア移転後の6月からを予定しているらしい。
いまある建物は1981年3月に、創業100周年記念事業として盛大に完成
したのを覚えているが、40年で建て替えるものなのか、という感慨がある。

2022年3月9日水曜日

御茶ノ水坂~すずらん通り~御成門~ 3402

2022・3・9影:ncan
早朝から都心へ出かける。主目的は御成門の慈恵医大病院で定期ボトックス。

JR御茶ノ水駅に着いたのが10時過ぎで、ちょっと日販によって、通いなれた
御茶ノ水坂を左右高層の建物を見ながら下る。むかし通勤で見慣れた「太田姫
稲荷神社」と境内前のしめ縄を締めた古木・クスノキに出合う。
太田姫は太田道灌の娘で、歴史的に祀られるだけの伝承が残されている。
その門前で、一回り巨木になって覆い繁るクスノキは気根も張って街のなかで
際立つ存在感をもたらしている。むかし見た風景の変化を感じ木に触りながら
周遊してみた。

2022年3月8日火曜日

世界の片隅で ウクライナの悲劇   3401


これまで、このBlogで1940(昭和15)年から、敗戦までの概略年表を作成
してきた。(現在、1944・8月まで継続中)

この期間は、僕の生誕から5歳までのことであるとともに、父良太が昭和16
年にサイパンへ教師(訓導)で赴任し、サイパン島がアメリカ軍によって陥落
する直前に帰国するまでの戦時中と重なる。
ほとんど記憶にない時期のことを、時系列の年表でたどることで親父の生き様
を追体験する試みといえなくもない。

前ぶりはさておいて、いま記したかったのはロシア軍によるウクライナの戦禍
に触れてのことである。
太平洋戦争で米軍による日本本土への空襲が初めてあったのは1942年4月
18日。航空母艦発進の16機が東京、横浜、名古屋、神戸を初空襲。発火性の
薬剤を詰めた爆弾の雨が降りそそいだという。その後、軍事施設の破壊だけで
なく、市街地を狙った爆弾で数十万人が犠牲になったとされる。
この記録に残る戦火から77年。
ウクライナの街並みが、砲弾やミサイル空爆で崩れ落ちている光景や逃げ惑う
民衆を見せつけられるリアルタイムに、この世の片隅にいることが不条理だ。

(←ブログ:2021・9・6 「敗戦まで戦中5年 年表抄⑥」3317) 

2022年3月7日月曜日

啓蟄とオオイヌノフグリ       3400

オオイヌノフグリ(実物は1㎝)
近くの郵便局へ行くのに散策がてら道端を歩ていると、休耕畑の一面を、指先
に乗るほどの小さな花が覆っていた。
朝陽を受けて輝く花弁は啓蟄にあわせるように開き、春めいてきたことを実感
する。

スミレよりも小さくて雑草と見間違えるヘブンリーブル―の一輪を指で摘まん
で、つぶさにようにわが家に持ち帰る。
さっそくyuの愛用する、『美しき小さな雑草の花図鑑』を開いて見た。いや、
開く前にyuは笑いながら「オオイヌノフグリ」(大犬の陰嚢)よ、と言った。
その名前の由来は、かわいらしい花ではなく実の形からの連想です。 

2022年3月6日日曜日

されどオープン戦 新人桐敷で初勝利!3399


今シーズン開幕のローテ候補に浮上してきたドラ3位・桐敷拓馬投手が先発す
る今日の楽天戦を見た。

プロ初先発に臆することなく、梅野捕手のミットめがけてテンポよく投げ込ん
だ。その雄姿は下半身がしっかりしており、躍動感にあふれ楽しみな選手だ。
予定通り4回62球なげて、14打者に被安打1、四球1、三振3、失点0。

藤浪には今シーズンの復活を期待しているが、昨日先発して4回7安打5失点
の乱調ぶりを見ていると、またまた何をやってるんだよ、と怒りたくもなる。
打撃では、糸井がバックスクリーンにホームランを打ち込み好調を維持してお
り、大山、ロハスそれに江越に連続安打が出たので少しつながりが出てきて一
安心かな。
阪神  3:楽天  1 阪神タイガース甲子園でオープン戦初勝利❣

2022年3月5日土曜日

高橋眞知子『歌と革命』を読む    3398

書影
さっそく、本書の関係編集者から贈呈いただいた、『歌と革命─リトアニアの
独立とそれにまつわる人々』(社会評論社刊)を読み始める。

現在進行しているロシアのウクライナ侵攻を憂うところだが、本書もまた1989
年、ソ連邦から独立を要求して、200万人のバルトの民衆が武器をもたず平和
への祈りをささげ、歌いながら、国境を越えて人間の鎖でつなぐ600kmの
「バルトの道」を実現した。「歌の革命」と呼ばれた当時の情景がよみがえる。

ソ連邦時代は、コサックといえばウクライナのキエフからリトアニア、ポーラ
ンドあたりまで存在した義勇兵団の共同体みたいなものに思え、いまのような
ロシアの支配とは違って見えていたものだが、地政学的な変動はすさまじい。

敗戦までの戦中5年 年表⑫     3397

⑪続き⇒
1944年(昭和19年)
6・15   米軍、マリアナ群島のサイパン島に上陸/7・7守備隊3万人玉
       砕、住民死者1万人
6・16   中国基地の米軍B29爆撃機、初めて北九州を空襲。
6・19   マリアナ沖海戦 日本海軍、空母・航空機の大半失う。
6・23   北海道噴火湾東岸で大噴火。昭和新山と命名。
6・30   国民学校初等科児童の集団疎開を決定。
7・4    大本営、インパール作戦の失敗を認め、作戦中止を命令。
       作戦参加10万人中、死者3万人、戦傷病者4万5000人。
7・10    情報局、中央公論社・改造社に自発的廃業を指示。月末に解散。
7・11   国民学校高等科・中学校低学年生の動員、深夜業の強化を決定。
7・18   東条内閣総辞職
7・21   米軍、グアム島に上陸 8/10守備隊1万8000人玉砕。
7・24   米軍、テニヤンに上陸 8/3守備隊8000人玉砕。
8・1    ワルシャワで民衆の反独武装蜂起起こる。
8・4    米・中連合軍ビルマのミートキーナ占領。日本軍守備隊千人戦死
8・4    閣議、国民総武装決定。竹やり訓練など始まる。
       学童集団疎開第1陣、上野発。
8・10   軍需省、サイパン島失陥後の物的国力崩壊を認定。
8・22   沖縄からの疎開船対馬丸、米潜水艦の魚雷攻撃により、悪石島
       近海で沈没。学童700人を含む1500人死亡。
8・23   女子挺身勤労令公布
8・24   パリの市民、反独武装蜂起、ドゴール凱旋。

2022年3月3日木曜日

追悼 宮下和夫           3396


きょう、2月10日に弓立社の創業者である宮下和夫さんが亡くなったことを知
らされる。79歳。

若いとき、脳梗塞に見舞われなど心配された時期もあったが、会うごとにだい
じょうぶ大丈夫の調子で、お互いの出版活動の方へ話題が飛ぶのが常だった。
僕より少し年下の出版人であったが、早くから吉本隆明の著作を手掛けるなど
注目される存在だった。
自分自身もう晩年なのか戸惑っていますが、僕の周辺の親しい出版仲間が年々
ポツンぽつんと世を去っていく。寂しくこたえるが、それも運命ということだ
ろう、、。

2022年3月2日水曜日

ウクライナ徹底抗戦とロシアの内部崩壊3395

キエフから脱出の少年
ロシアのプーチンが仕掛けた独裁者の結末を考えないウクライナ侵攻は、今日
で一週間に及んでいる。

第二次世界大戦後の、大国(核保有国)による戦争行為は簡単に生起するとは
考えにくいと思っていたが、狂気プーチンによって無慈悲な都市部への市街戦
を仕掛けられている。
かつてのハンガリー動乱(1956年)や、ワルシャワ蜂起(1943年)のことを
覚醒させられる。
ウクライナのゼレンスキーは、「ロシアはテロ国家だ。誰も許さない。誰も忘
れない。」と、怒りのメッセージを発しているが、ロシアの国防相は「目標が
達成されるまで特別軍事作戦(戦争とは言わず)を続ける。」と高圧的攻勢を
かける。この両者の突っ張りあいでは、外交交渉での妥協点は見えてこない。

2022年3月1日火曜日

砂川文次「ブラックボックス」を読む 3394


主人公サクマの日常は、雇用環境が悪化し格差が拡大し続けるブラック社会の
まっただなかに身をおいて疾走する。
その仕事は自転車配達便メッセンジャーと言うらしい。
メッセンジャーとしてのサクマの日々が、客観的に執拗にこと細かく自転車を
こぎ続けるなかでの心情や風景と重なる。いつになったら車輪の回転が止まる
か分からない不安がつのる。(飽きさせない。)
サクマという男の不穏さから何かを起こしそうな生き方をリアルに表出してい
る。
閉じ込められているイメージ(安部公房)、主人公の肉体感覚(村上龍)、言
葉の暴力(中上健次)らの系譜に近いのかなと思いながら読んだ。
(第166回芥川賞受賞作)