2019年8月24日土曜日

高村薫/南直哉 『生死の覚悟』を読む 2573

書影
生まれることと死ぬこと。『生死の覚悟』(新潮新書)を読む。
最近読む本と云えば新書が多くなっているなと、思う。

本書は、恐山の禅僧であって、昨年(2018)『超越と実存』で小林秀雄賞受
賞の南直哉師と、「宗教と名のつくものにひざまずくことができない」という
高村薫との対話。

阪神淡路大震災や東日本大震災から、身近な死に出合うことも後を絶たず、死
の隣に自らの「生」を感じる。天変地異に、神も仏もあるものかと不信心の塊
に転移する。
それでも、墓参など儀礼事に参加すると、なんとなく心が穏やかになる。
二人が共鳴するのは、人間は言葉を離れることができない。死に直面して「言
葉にできない」といいながら、言葉を繰り出すのをやめない。この実現不可能
を実現しようとする言葉の「七転八倒」が仏教だという。
「信じる行為を脱落させる」「念仏や座禅という行為を日々続けることによっ
て、信じる信じないを越えていく」~「信じる」ことを前提とせず、宗教の本
質に迫ろうとする緊張の一冊。

高村薫『空海』は読んでいるが、早速、評判の『土の記』を読もう。

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