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| 夜の本町筋 |
8・6から、原水禁、敗戦そしてお盆入りと、若いときは東京不在がつづいた
ものです。
そうしているうちに、としを重ねて弟たちが居る第二の故郷、倉敷の町や瀬戸
内を、特に目的があるでもなくゆっくり回遊することを好むようになった。
とくに、倉敷美観地区は大戦の戦火を免れ、江戸の昔から受け継がれてきた良
き佇まいを残す。美しい白壁のかつての商家が並ぶ川端をちょっと離れて路地
裏を抜けると、そこにはいまも変わらぬ日々の日常がある落ち着きにホッとさ
せられる。
倉敷川(ホリワリ)に映える青い柳と白壁の悠久の美に誘われて、、。
中学生の時に初めて入館した「大原美術館」は昔と変わることなく、国内外の
名作・名品がこれだけ観られる美術館はほかにない。
エル・グレコの「受胎告知」をはじめ、ゴーギャン、ロートレック、ミレー、
ドガ、モネー、セザンヌ、ピカソ、ルオー、シャガール、ロダンの彫刻まで。
90年前に実業家大原孫三郎が私財を投じて開館した倉敷の象徴的な存在だ。

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