2018年4月26日木曜日

白井聡『国体論─菊と星条旗』を読む 2087

書影
いまどき、「国体」なんてそぞろ事かと思ったが、どっこい鋭利な分析力に圧倒
されて一気に読み切った。

戦前の「国体・天皇」は、敗戦を境界に戦後の「国体・米国」へと変容したと、
大胆な結論付けに頷ける。
1960年代、日米安保条約破棄をめざして反対闘争をした時点でも、アメリカ
従属か国家独占資本主義の成熟した自立過程かを問う政治経済的論争はあった。
この際には、天皇とアメリカの関係はあまり考察することなく、日本の対米従属
か、どうかの政治の現象面をめぐてだった。

国体。戦前の日本国の最強のイデオロギーは、日本は天皇を国父とする大きな家
族なのだ、という国家観でした。これが、いわゆる「国体」というやつで、多く
の家で、昭和天皇が額縁に入れられ掛けられている風景を見た。
敗戦を境に、そうした「国体」は解体されたという認識になっている。

ところが、アメリカ主導のなかでの降伏は、「国体護持」を唯一の条件として行
われ、敗戦後に昭和天皇は在位し続けた。
これを契機に、「アメリカなるモノ」は日本人の政治、文化、カルチャー、生活
全般から精神世界まで次第に影響していると説く。
対米従属から脱却したようにいわれながら、「戦後の国体」は、その頂点にアメ
リカが鎮座していると云う現実をつく。すなわち「菊と星条旗」が結合してでき
た特殊な「国体」に縛られていると。
「対米自立」なる課題への挑戦と意志としての自己増殖しかない。

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