松本昌次さんから『戦後編集者雑文抄ー追憶の影』新著を恵贈いただいた。
『戦後文学と編集者』1994年刊、『戦後出版と編集者』2001年刊に続く、第3冊
目の本。
最初の一冊から20余年経っており亡くなった著者らが多くをしめて追悼的意味
合いが強くなってきている。
そのことで、書籍編集者が仕事として戦後出会ってきた同時代の著者たちへの
想い入れの文章と、その遺志を全身編集者として全うしようとする意志が伝わっ
てくる。
僕も激動の1960年代に、未来社の編集者であった松本さんの手になる多くの
著者に接し、本を読み影響されてきました。
本書では、花田清輝、埴谷雄高、長谷川四郎、木下順二、秋元松代、西郷信綱、
竹内好、武井昭夫、吉本隆明、井上光晴、中野重治、松本清張、ブレヒト、富士
正晴、久保栄、上野英信、藤田省三、丸山眞男、宮本常一らが追憶されている。
ある時、花田さんに「次の世代で誰に期待しますか」と聞いたところ、花田さんは
言下に「武井昭夫と吉本隆明だね」と答えたくだりがあって、その後、「花田・吉本
論争」が激化するなかで、二人の著者を抱える松本さんは挟まれた形で、困惑し
ながら編集者としての立ち位置を決める場面などはリアリティーを感じさせられる。
この後、『花田清輝著作集』(全7巻)が刊行されたのだから、、。
(←ブログ:2016・3・9 「『埴谷雄高─夢みるカント』を読む」1309)
0 件のコメント:
コメントを投稿