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| 書影(544頁・2500円) |
・スミスの『道徳情操論』(未来社版上・下二冊)を援用する犯罪研究本かと思
った。 (岩波文庫『道徳感情論上・下』水田洋訳あり)
著者名、傍題を正確に記す。
菅賀江留郎(少年犯罪データベース主宰)
『道徳感情はなぜ人を誤らせるのか─冤罪、虐殺、正しい心』(544頁)洋泉社
戦中戦後に起きた、少年による大量殺人事件「浜松事件」と「二俣事件」という
連続性のある二つの事件を題材に、冤罪をつくり上げていく背景を圧倒的資料
で、「人の心の変遷」として浮上させてくれる。
一般的にいわれてきた冤罪の背景には、初動捜査のずさんさや司法、法医学
やメディアの動向が問題にされるが、この著者の視点には政治・哲学や心理学、
進化論、プロファイリング、サイコパス、、総合知を不断に援用し、人間の道徳
感情や共感にその解明をもとめるところに衝撃をうける。
最高の推理小説に当たったように一気に読めた。
本書の編集者タノベに乾杯。

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