2020年10月29日木曜日

未来社二代目社長小箕さん 補遺⑮  3006

小箕俊介さんはすぐれた資質をもった編集者だった。
僕が退職した一年後にその未来社の二代目社長に就任した。

小箕さんは岡山の出身で、三歳年長者といううこともあってずっと親しくさせ
てもらった。
僕は19年働いた会社を辞す数か月前に、倉庫の棚卸し出先の慰労の場で、いち
早く報告させてもらった。強く再考を促されたわけではないが、彼からもう少
一緒にやっていかないか、共勞の要請をしてもらったいきさつがある。
期待されて社長の任に当たり経営安定化に向けて取り組んでいた時(1989年
7月)、彼は突然の不慮の事故で死去した。

最後にもらった葉書から
生きにくい時代になりました。良寛禅師は
「災難に逢ふ時節には災難に逢ふがよく候。
死ぬる時節には死ぬがよく候」と申します。
迷わぬよう心しなければと念じております。千葉の海辺より。と。

小箕さんは著者から信頼され編集した本は多義多量であったが、翻訳者として
他社から出版されている。
ルカッチ『美と弁証法』、ベーリン『カール・マルクス』、ヘラー『マルクス
主義的価値論のために』、ヘラー『個人と共同体』、ヘラー『マルクスの欲求
理論』、ペイン『ファランヘ党』そして最後に落手したのが、クズネツォフ
『アインシュタインとドストエフスキー』でした。
惜しい人を失ったのが残念でならない。

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