2020年4月29日水曜日

日野啓三著『虚点の思想』出版のころ 2822

書影
高知聰の『異貌の構図』と『都市と蜂起』を編集し出版を終えて、続けて日野
啓三さんの『虚点の思想』の編集に取りかかるため、原稿整理をはじめたのが
1968年の秋口からだったか。

日野さんは読売新聞記者で移動特派員としてベトナムから帰って間もないとき
で、評論・エッセイを上梓したく相談をうけた。
薄い度付きサングラス姿で新宿東口前の喫茶店「しみず」で初対面した。
埴谷さんから紹介されていたこともあったが、会うなりベトナム戦争における
ベトコンのゲリラ戦取材経験万をリアルに話してもらったが、それよりも日常
の生活をニヒリスティックに語る文学的風貌ほうに魅力を感じた。

後に芥川賞作家として多数の作品を刊行し、芥川賞の選考委員にもなっていた
ことがある。辺見庸の『自動起床装置』を強く推薦したのが日野であり、また
この出版直後の『虚点の思想』に関心を持ちエッセイに著している辺見をずっ
と後に知ることになる。

といううことで、未来社に入社して5年ばかりたったころだが、知人の出版社
の仕事を余暇にしていたことになる。

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