2020年8月21日金曜日

新宿の街に教わった        2937

対面に「不夜城」&右に「いざかや」

父親の元を離れて大学受験で上京したものの、援助金は月々5千円と決められていたのでカネは足らなくて当面江古田の縁戚宅に転がり込んだ。

半年の居候生活であったが、最初のころは沼袋から西武線で西武新宿駅まで出る。その足で新宿コマ周辺から国鉄新宿西口やガードを潜って東口から追分(伊勢丹)へ向かったものです。西口周辺には闇市の残滓があり、店頭には日用品から高級品までいろんなモノが溢れていた。よく映画も観た。50円で二本立てがみられる名画座が数館あった。チャップリンやジャン・ギャバンの映画が僕の好みだった。石原裕次郎や赤木圭一郎登場のカッコよさに憧れたのもこの季節だ。観たい封切り作品も銀座に出ることなく新宿で十分だった。

新宿にはヤクザやテキヤも大勢いた。医者のおじさんの釣り仲間がやっていた居酒屋でバイトしていたときヤクザとテキヤの違いも教わった。大学生のヤクザもいて、その危険な雰囲気も刺激的だった。敗戦後社会の混沌とした街のなかにゆとりはないが、自由があり熱気が立っているように思えた。

そして数年後に、屋台から興隆したカオスのメッカ「でん八」と出会うことになる。 

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