昼下がり窓越しに雨でぬれた山椒の木を見る。
緑の葉の周辺に浮かんで動くものがある。手のひらサイズはある。外に出て追
っかけて観ると前に柚の木にくっついていた青虫(幼虫)が成長したアゲハ蝶
だった。
雨上がりに舞うのが好きらしく、まえにも見たことがある。
飛ぶテリトリーは狭く、隣の庭のユリの花を一巡してはわが家の青柚子に舞い
戻り、そのうちまた山椒へヒラヒラと移動する。
以前家の裏は梅畑が広がり、キジのつがいが飛んできたり、野うさぎが跳ねて
いたが、数十年の間に人間の家が密集してかつての牧歌的風景は想像だにでき
ない。追い出された鳥や昆虫などの生きものも多いだろう。
辛うじて、こうた蝶々や夏虫の声を聴くことが環境の指標になる。
額ほどの小さな池の水や緑の空間を見て楽しもうと思う。

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