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| (2016・5 影:Tab) |
それも夕方で、待ち時間の調整をする時があって、大概は近くの書店で暇つぶし
していた。
ところが今回は、間口1m幅の階段を地下へ吸い込まれていくところの、それらし
き人種にひかれて、立飲み酒場で飲むことにした。
入口には、レトロな「富士屋本店」の看板が掲げられている。
地下の空間は明るく、巨大なコの字型カウンターが真ん中に広がり、立飲み客が
スズナリに囲み、にぎわっていました。
客は一人もいれば、二人組やグループで、男女問わず若者も交じり、狭い店内
で即興で生まれる予想外の出会いを楽しめるのも大きな魅力のようです。
僕の隣は当店の常連さんらしく、澁谷の立飲み酒場の老舗である歴史を話しな
がら、ホッピーやハイボールの飲み方まで指南してくれた。
話しているうちに、おたがい出版に関係あることでつながって、マガジンハウスの
「クロワッサン」の編集者であることがわかる。
さらに、「クロワッサン」に執筆のある町山と親しいと言うに及んで、点が線になる
瞬間に出合った。
戦後、街の横丁で生まれた大衆酒場の価値をうまく残しつつ、今風に刷新する
ことで「新酒場」の人気は上昇中に見える。
先に、似たようなネオ酒場が豊田駅前路地に在ったし、新宿駅西口の横丁に、
吉祥寺駅前ハーモニカ横丁にも、古き時代を疑似体験できる空間と今の感性と
の融合にマッチングしているからこそ開かれているのだろう。

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