僕の友人で、昭和歌謡の帝王がいる。
昭和と言っても1960年代と、1970年代前後の男女によって、よく歌われていた
傾向が違う。
僕らの第一次安保世代が歌っていたのが、「アカシアの雨がやむとき」(1960年
西田佐知子)。
「アカシアの雨にうたれて このまま死んでしまいたい 夜が明ける 日が昇る
朝の光りのその中で 冷たくなった私を見つけて あのひとは 、、」と歌う。
安保闘争の敗北の悲哀に同化したように思える歌だった。
全共闘世代にマッチングして登場するのが、「神田川」(1973年、南こうせつ
とかぐや姫)。
この時代は、すでに出版社で仕事をしていたが、早稲田面影橋の架かる神田川沿
(高田一丁目)に住んおり、近くの銭湯に通っていたことなどが懐かしく、何だ
かんだで口ずさむ。
この時代によく通っていた「スナック・そのに」のジュークボックスに100円玉
を放り込んでハイライトをくゆらせながらリズムをとっていたのが、独特な歌唱
で歌う浅川マキの「夜が明けたら」(1969年)や「かもめ」(1970年)。
自分と重ねて時代を共有できた歌には、今でも心に響くのだろう。

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