2024年10月27日日曜日

漱石全集7巻「明暗」を読む     4464

「明暗」は1916年12月14日付け「朝日新聞」に、188回目の掲載を最後に終
わった。漱石死去により作品は未完。長編大作を予感させる構想だった。

主人公の津田とお延は結婚して半年ほどがたつ。妻お延は、漱石作品初めての
女性主人公である。彼女は理想的な結婚をしたと思っていたが、夫に愛されて
いないと感じ始めていた。
一方津田には前に愛していた清子という女性がいた。そのひとは突然、他人の
ところへ嫁いでしまう。このあたりの描写に、古い家制度から離れて恋愛結婚
が出てくる大正期の雰囲気を読み取れる。
お延の言葉に、新しい女性像が体現されている。

660頁のまだまだ先が長い未完物件故、この進展のなかで永遠に閉じなければ
ならなかった運命の小説を残念に思う。

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