11月のこの時期になるとはや「喪中はがき」が届き始める。
今年初めから、親しい友人や懇意にしていた縁者が彼岸へ逝ってしまった。
寂しい気分になりながら年賀の葉書を整理しはじめたら、11月4日が命日に当
る辻野隆雄君からの、半世紀も前の年賀状(昭和44年)が出てきた。
ありし日の交友がありありと目に浮かぶ熱量で書かれた、個性豊かなペン書き
の文面だった。
いまではデジタル技術に囲まれ、手書きが少なくなっているなかで、筆圧の強
さを感じさせる文字、親愛あふれる気持ちが文字にちゃんと留められている。
彼の疎開地は僕と同じ同郷の岡山瀬戸内で、大学卒業後一度、わけあって郷里
に帰り直ぐに上京して来た。その際、仕事が一緒であったり同人誌仲間として
密度の重なる生活を共にしている。
これからも、この葉書を見返すと、いつでも当時の状況が想いだされることに
なる。

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