2017年5月5日金曜日

『本屋稼業』を読む         1731

書影(角川春樹事務所/2017・4刊)
波多野 聖著、『本屋稼業』(角川春樹事務所・刊)を一気読み。

日本の書店の現在はここ十数年右肩下がりで暗いが、最近多く目にするようにな
った書店員や独立書店経営をする書店人の本をみていると、新しい息吹を感じな
いでもない。

そうしたなか本書は、紀伊國屋書店創業者・田辺茂一と、満鉄から陸軍少尉にな
った松原治が戦後帰国して5年後に浅草の料亭で運命的な出会いをはたし、二人
三脚で奇妙だが圧倒的バランスで今の紀伊國屋書店に導いた起承転*の物語とし
て読ませてもらった。
田辺茂一、45歳。松原治32歳。

田辺茂一さん中心の紀伊國屋書店の歴史的エピソードは、業界のいろんな人や身
内の古参の話としてもたびたび出てきた。何よりも彼自身の著作、『わが町・新
宿』『続わが町・新宿』に詳しいことこの上ない。
でも本書の特色は、田辺対松原の生い立ちから、出合い、発展過程でみせる考え
方や振る舞いの違いを、時系列で話し言葉を多用して紙芝居の捲り感覚で感じ取
らせてくれる叙述力にある。

1959年に上京した僕にとっては、まだ紀伊國屋書店本店ビルが建つ前の木造
時代の店舗だったが、なんとも広々とした書籍売場で初めて見る本屋さんの風景
にカルチャーショックを受けた記憶が残っている。

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              『写真家 山崎治雄の仕事』(岡山文庫)
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