2025年4月25日金曜日

平松洋子『父のビスコ』を丁寧に読む 4643

書影
平松洋子の著作を知ったのはそんなに以前からではない。
『洋子さんの本棚』で、小川洋子と二人の洋子として読書体験を語り尽くし
た書籍でした。それもご両人とも倉敷に縁のある人たちで身近に感じた。
最近では「週刊文春」の、食にまつわる連載エッセイに興味をよせている。
著者の郷里が岡山県倉敷なので、この自伝的エッセイは倉敷市内の城山公園
周辺から、郊外真備町(2018年豪雨被害)や船穂、酒津(焼)などの地域が
出てくる。

まず本書の最後に収められた「父のビスコ」は、お父さんとの終末期の自然
な会話だが、戦下をくぐり抜けてきた哀感と家族の歴史が浮上する。
この著者の書くデテールはさりげなく表出されているが、拡がりと深みをも
たせる得意技です。
最後に食べて満足そうに見えたのが変わらぬ「ビスコ」だったと、記してい
る。(直近、スーパーの駄菓子棚に昔ながらの包装で「ビスコ」を見かけた)

92歳の父が語る「父のどんぐり」、「母の金平糖」、「白木蓮の家」、「ばらばら
のすし」、「やっぱり牡蠣めし」、「悲しくてやりきれない」、「饅頭の夢」(むら
すヾめ)、「おじさんのコッペパン」(ニシオギ)、「眠狂四郎とコロッケ」、「イ
ンスタント時代」、「ショーケン一九七一」、「『旅館くらしき」のこと」、「流れ
ない川」、「祖父の水筒」、「父のビスコ」ほか 。

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