2021年2月6日土曜日

帰還後の苦渋 良太のサイパン⑱   3106

昭和19年7月、サイパン陥落によって「米国空軍の襲来は8、9月の交なるべし      との噂専なれどいづこにかひなんすべきや否や、、」と、永井荷風の『断腸亭       日乗』にある。
そして19年11月の内田百閒の「戦時日記」の序文には「その日、マリアナ基地
から飛来しB29が東京に初めて侵入したのデアル」、と。荷風の心配していた
通り、やがて全国の都市を焼きつくす重爆撃機B29が本土空襲のこれが幕開け
であった。

そのとき、サイパン島から教育者優遇で帰還したばかりの父・良太がどんな振      る舞いをしていたのか3歳の僕には姿さえ浮かばない。

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