2018年11月10日土曜日

読んで観るか 観て読むか        2285

書影
白石和彌監督『孤狼の血』を観る。
ベテラン無頼刑事の役所広司と新人の松坂桃李。

舞台は、東映実録ヤクザ映画『仁義なき戦い』から、20年後(1967)の物語。
敗戦直後の広島。若き復員兵の血で血を洗う抗争の時代は終息したものの、戦
いの火種はくすぶっている。
高度成長期の巨大組織をバックにする、「加古村組」傘下の金融会社社員が失
踪したことで、地場の暴力団との抗争に火がつくことに。

この失踪事件の捜査にあたったのは、得体のしれないヤクザ顔負けの悪徳刑事
大上(役所広司)と新人の警官日岡(松坂桃李)。大上のトンデモない常軌を
逸する行動は、暴力団と警察組織をも揺るがす大問題になっていく、、。
『仁義なき戦い』は、暴力を実録風リアルな描写でスクリーンを切り裂く様な
鋭利な身体感覚をうけた。本作には、この危険な魅力はないが、実録風に見せ
ながら、大上と日岡の新旧の葛藤が、後半の展開で親子に近い精神的な深みへ
とドラマチックに閉じる。

柚月裕子の原作も読んだ。やはり山陽筋の独特な言葉があってこそ、小説も映
画も輝きをます。ミステリー小説から、広島ヤクザ抗争の骨太のドラマ性を持
たせた現代の映画だ。

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