2016年12月25日日曜日

『狂うひと「死の棘」の妻・島尾ミホ』 1600

書影(新潮社刊/3000円)
週に二、三度は書店の店頭を見る機会がある。そのとき、購入を躊躇していた本
が梯久美子著の『狂うひと』でした。

672頁の大著を、時間に余裕ない暮れのなかで読み切れずツンドクになってしま
うように思えたからです。また、衝撃的だった『死の棘』の読書体験を蒸し返される
ような気がして、先延ばししていた。

ノンフィクション作品である本書は、戦後文学の名作でベストセラーにもなった、
島尾敏雄の『死の棘』に描かれた、著者の妻・島尾ミホの生涯を11年余の長期取
材し、「書かれる女」から「書かせる女」さらに「書く女」へと変容していく様を、「本当
に狂っていたのは妻か夫か、、」と迫る。
これまでの神話を解体する謎解き評伝の極北か。

39年前に刊行された『死の棘』の装丁者・司修が、本書でもミホさんの写真を使っ
た装丁をしているのが因果めく。

(←ブログ:2016・12・14 「『証言と抒情』野村喜和夫著を読む」1588)


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