丹後半島の山奥に住む20代からの友人から、葉書が届いた。
10月四日夜9時~テレビ東京の番組「たけしの二ッポンのミカタ」に出るの
で、興味があれば、、丹後では写りませんが。との知らせだった。
<スゴ腕職人幻のマル秘逸品>番組表に載ったTVだったが、彼の生活の一端
が上滑りすることなくドキュメントされており感心した。
次の東京で開催される個展に際して、大いに宣伝になったと思う。
京丹後市にある峰山駅、そこからクルマで山奥を目指すことおおよそ40分。
(東京からだと7時間)
少し山道を歩くと、木の隙間から洗濯物が干された建物らしきものが見える。
ボロ一軒家だが100年は経つ。住むのは漆器職人(名工の域に)・大益牧雄。
35歳のとき、縁あってここに住み始めて35年になる。
かろうじて電気は通っているが、水道はなく湧水を貯水、ガスはなく昔ながらの
マキによる囲炉裏が燃料の主流。
新聞は、郵便物と一緒に一日遅れで届く。
さて職人の一日は、畑、山道を分け入ったところの斜面に植林した漆の木が立つ
場所へ。
作業着を着た彼は、漆の木から樹液を採る漆掻きを始める。専用のカンナを使い
幹に輪形に切れ目を入れると、たらーりたらーりと受缶に採れる。一日7グラム
3本で200グラム採集できる和漆の貴重品である。
住まいとは別の近くの作業小屋で轆轤(ロクロ)を回し碗などを作る。それを、
半年から一年かけて自然乾燥させて原型を仕上げる。
ここからの指先作業が、椀に生命を塗りこむ漆塗りの忍耐と芸であることが、犇
ヒシと伝わってくる。
彼の作法は、木そのものの木目をいかに生かすかに精魂を傾ける。
「木の風合い」という。

0 件のコメント:
コメントを投稿