2019年11月11日月曜日

南洋群島の教職員/良太のサイパン⑨ 2652

南洋諸郡島には教員養成機関がなく、教職員は全て日本(内地)の小学校教員
の免許状を有し、またこれに準ずる者を採用し小、公学校共通で相転ずること
ができるシステムだったようだ。

軍政時代当初の教員は、文部省に依頼して採用したものであったが、その後に
全国各地の志望者を採用するようになったとある。
こうした環境を考慮すると、師範学校を卒業して間もない良太であるが、自ら
望んで南の島に教職の鞭を取りに出かけたとも推測できる。ところが、この志
の精神について母から、祖母からも一切何も聞かされたことがない。
こうして父のサイパンとの関りに執着して止まないのは、存命のとき聞き取り
できなかった、今さらながらの無念が増幅するからです。

さらにつづけると、南洋庁時代の教職員は、小学校においては学校長、訓導、
嘱託教員及び教員補の枠があり、訓導は文官で官吏である。
訓導とは。内地において小学校教員免許状を取得した正教員を任用すると官制
にある。
また、年々志望者が多くなって公平を期すため昭和10年(1935)度より試験
をもって決め、現職者採用を原則とするとある。身許調査もしっかりあったよ
うだ。

(←ブログ:2019・4・22「サイパン『教師の家』良太のサイパン④」2448)
(←   :2019・7・21「驚きの資料! ⑤」2539)
(←   :2019・7・24「タロホホ国民學学校とは!  良太の~⑥」2541)
(←   :2019・10・12「最後の赴任先 良太のサイパン⑦」2621)
(←   :2019・10・24「チャッチャ国民學校訓導 良太の~⑧」8634)

2019年11月10日日曜日

上田慎一郎「カメラを止めるな」を見る2651

低予算で製作しながら、若い映画ファンの支持ですそ野が広がった話題の映画
だったので、早い機会に観ようと思いながら今日にいたった。

脚本・監督:上田慎一郎 出演者は知らない俳優ばかりだったが好演。
評判通り最後までスクリーンに引きこまれる面白い日本映画だった。
山奥のかつての工場跡で、「ONE Cut of The DEAD」なるゾンビ映画の撮影
が行われている。
カメラの長回し撮影なのだが、どっきりカメラかリアルか分からないような、
登場の映画監督は役作りで落ち込む女優を恫喝気味に指摘したり、メイク担当
はこの撮影現場をかつて政府が極秘で人体実験を行っていた土地だと俳優たち
に噂を流したり、そのうち密室の外から助監督やカメラマンが本当のゾンビに
なっており、襲いかかってくる。
そこへ監督が現れ、演技以上のリアクションが撮れるためこのまま撮影を続行
するぞと宣言する。
最終的には、俳優もゾンビ化してしまう。

ここまでで、エンドロールが流れ映画の幕が閉じる仕掛けでの一作品となる、
フイクション映画なのだ。

ところが後半の最初は、実写に向かう山奥の風景の空撮から、最初のファース
トシーンにもどる。そして、撮影の裏面をあばくノンフィクション映像で構成。

(←ブログ:2019-1-13 「パルマ監督『ブラック・ダリア』観る」2349)
(←   :2019-2-8 「トム・クルーズの映画を観る」2375)
(←   :2019-2-23 「ドキュメンタリー『眠る村』を観る」2390)
(←   :2019-5-9 「ショーケンの『傷だらけの天使』を観る」2465)
(←   :2019-6-15 『ザ・クライアント』を観る」2502)
(←   :2019-6-29 『タクシー運転手』を観る」2417)
(←   :2019-7-7 「ルカ・グァダニーノ監督『サスペリア』2524)
(←   :2019-7-11 「ハルの招待で<立川シネマ>へ」2529)
(←   :2019-7-27 「『新聞記者』(望月衣塑子原案)を観る」2545)
(←   :2019-9-17 「『ディストラクション・ベイビーズ』見る」2595)
(←   :2019-9-20 「ドン・ユエ監督『迫り来る嵐』を観る」2600)
(←   :2019-10-10 「イーストウッド『マディソン郡の橋』2620)

ジョギングを再開始した       2650

富士見公園ケヤキ並木(2019・11・10影:ncan)
ハルから、きょうは5㌔を30分以内で走ったよとか、両手に重りをもって多摩
川河川敷まで行ったよ、の自己鍛錬中の報告をしてくるのに刺激されて、マタ
ゾロ、、ジョギングを再開した。

何回か中断しながら続けてきた習慣だが、つい真夏になるとハショル怠け癖が
出てくる。
寝起きと風呂上りには腰痛保護のためストレッチをしているが、最近とみに駅
の階段の上り下りでけ躓くようになってきた。
五木寛之さん流の歯磨き時にポンピングで足のばねを維持する手もあるが、も
少し外気を吸いながら、公園で遊んだり運動する老若男女を観察したり樹々や
花を見ながら軽く走るのが楽しい。

昔だと、草野球、スキーやダイビングのトレーニングとして一念発起して強制
的にやるほど欲深かったが、今回は極めて自然に無理しないで途中でベンチに
座って野球やサッカーに興じる少年たちをいっとき見て時間つぶしして、また
周回コースを3㌔ばかり完走するスタイルにした。

2019年11月9日土曜日

やすい会(119)久米川へ       2649

影:ncan
今年二回目の「やすい会」は、久米川の中国料理店で正午過ぎから催された。
前回と同じ場所での宴席だったが、先のとき出ていなかったグンゾウさんが板
橋からの乗り物路線を間違えて、ジグゾウ状態に陥り、出席が会半ばになって
しまった。

前回のとき、欠席の十十木さんの病状を皆で危惧していたが、残念ながら亡く
なった。会の冒頭で献杯で哀悼した。
あとは、いつもの例会のように一般の世情から、5月の会から今回の間の近況
報告。
大阪屋栗田が11月から「楽天ブックスネットワーク」に社名変更になったこと。
甚大な被害をもたらしている台風19号で、会員の皆のなかにも影響の出た人も
いて、その様子が語られた。

前回からだが、昼間のせいか年齢のせいか、二軒目へ行こうと云う誘いがなく
なって「遠方からきているから、、」とか「愛犬の夕食があるから」と、もう
帰りたいという合図かな、というそぶりに接するようになった。
まだまだというには、体力がそぐわなくなってきているのだと思う。

2019年11月7日木曜日

スーパー老人インタビュー巻頭飾れるか2648

影:ncan
きょうプロモーションを受けた。

その要請は、高齢者の生き方、人生論を柱にした季刊誌の新春巻頭で、いま旬
の大物作家に登場してもらおうと云う企画プロモーション。

近いうちには、人口4分の1が70歳以上を占めようとしている日本社会には、こ
れまで考えられてきた、人生観、生と死、家族観、仕事とお金、医療介護や健
康や幸福感などに大きな変化が生じている。
この変化に対応するかのように、様々な発言や本の出版などかしましい。
そのなかでも、人生下りにある「孤独感」を限りになく愉しむ語らいやエッセ
イで注目度の高い作家に登場してもらい、新春を明るい雰囲気に企図するもの
です。

ところが、日・月刊紙誌から放送まで超多忙な方で、コンタクトできても数ヶ
月先のセッティングになる報もあり、複雑な気持ちです。
その昔、埴谷雄高さんの対話者さがしや「本屋さんとの出会い」の執筆者許諾
で苦労したことを、今さらながらおもってみる。

2019年11月6日水曜日

遠い昔の風景に思いをはせるとき   2647

1963年の今日の日付に義母は亡くなった。56歳だった。
一度だけ三鷹下連雀の家で会った後に、阿佐ヶ谷に越したが二度目の対面は葬
儀ででしかかなわなかった。

初めて会ったその日は、玄関から上がった和室で裁断した布をチクチク縫って
いた姿を想いだす。何をしゃべったかおもいだせないが、親のことと故郷津山
の風土についてぐらい紹介したと思う。
小柄だが心のしっかりした「お母さん」を感じた。生粋の東京育ちで関東大震
災と満州事変や太平洋戦争を経験するなかで家族の栄枯盛衰があって、当時を
生きている重みがあった。
ゆえに、お別れの対面では、いとおしく、も少し開放的に自由に長生きして欲
しかったと犇々と感じたものです。

その日は、今日のように冷え込みの強い寒い日だったように思う。再び合掌。

2019年11月5日火曜日

青梅の漆工芸女と京丹後の轆轤木地師 2646

きょう、多摩のコミュニティTVで地域在住のアーティストを紹介していた。
青梅市梅郷に居を構える漆芸家・二重作桜さんが登場。

このドキュメンタリーに惹きつけられた背景は、京都府京丹後の山峡で轆轤を
回し漆器を創作する友人の木地職人がいることによる。
彼はこの地域に30代半ばに住みついて35年になる。

かたや、青梅を拠点として伝統工芸を継ぐ女姓漆芸家の制作歴は56年。
彼女は東京藝大大学院漆芸専攻終了後、青梅梅郷の漆芸家・磯矢阿伎良に師事
し、この地で活動を続けている。
栃の木原木を買い入れて乾燥させ、自分でロクロを回してお椀や酒器のおおま
かな形を作る。カンナや小刀で削る。
漆をろ過して不純物を凝視して取り除き、漆付けを繰り返す。

さて、京丹後の人は和漆の使用を理想としており、漆の木を地場だけではなく
千葉や新潟村上市などの山に予約して自ら漆掻きに出かけるように努めてきた。
そして素材の木も上京のとき「木場」や木工場に立ち寄ってセレクトしている
ようだ。完全に「自分の作品」といううことになる。ほとんどがふだん使いの
器だが、漆が薄くなったり傷つけると再漆付けをしてくれる。

二人の、漆芸人と職人に接して、おんなの漆塗りで黒や朱色の微妙な出し方に
魅力を感じるし、男でこそ可能な全工程を自分で作り出す器の荒々しさにも感
動する。