2025年3月14日金曜日

鴨長明『方丈記』を再読す      4602


『枕草子』『徒然草』とならぶ三大随筆の一つ鴨長明の『方丈記』を読む。
「新日本古典文学大系」を引っ張り出し、注釈と照合しながらゆるりゆるりの
読書。

「ゆく川の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。澱みに浮かぶうたか
たは、かつ消えかつ結びて、ひさしく留まりたるためしなし。」
人の世の「無常」感を表し、生滅流転を表現したプロローグで知られる本書は
中世文学の白眉だと思う。
鎌倉時代から時代は変転しているが、いま読んでも違和感なく心象風景にぴた
りとくる。
幼少の頃見てきた「吉井川」や、いま生活する「多摩川」の風景から、遠い昔
を比喩的にとらえて凝視すれば、昔も今も同じようなシーンが生滅している。
冒頭で流転する者やモノの儚さを語った後、当時の災厄についてのログインが
続き、後半は鴨長明自ら建てた方丈=十尺四方の草庵での生活が語られる。
そして、往生・念仏を由としながら、空念仏を唱え自問自答に悩む姿が浮かん
でくる。
高校時代に読んでから、いま読むのでは理解の深度が全く違うのに気づく。

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